遥かなる日本  ドイツの街角から

 

       遥かなる日本

            ドイツの街角から

 

春のきざし

 

  

    待雪草      黄花節分草     クロッカス

 

 三月です。春のきざしを告げるのは花。一番左のマツユキソウ(辞書による。別名スノードロップ)は、一番早く目に入る花です。私はドイツ語から直訳して雪鐘草と言っています。大抵一月末に出てきます。雪鐘草を見ると嬉しくなります。次はキバナセツブンソウ。聞いたことがありません。そしてクロッカス。この薄紫のは一番早く咲く。もう少しすると他の色のも咲いて、実にきれいです。春よ!

 私は花の名前が分かりません。今はインターネットで見ていくらか分かるようになりましたが、以前は、あ、綺麗な花が咲いたと喜んでも名前が分からない。これはとても歯がゆいことです。それで一度花の名前を覚えようと植物園に出かけました。いろいろな花が沢山咲いていて、名前の書いた札が立っています。ところが、どの札がどの花を指しているのか分からない。要するに分からん奴には分からんようにできているんだと、スゴスゴと引き下がりました。

 

 早く春になれ! 北国に住む私は春の訪れをいつかいつかと待ち焦がれています。

 

 話が全く変わりますが、十日程前ドイツは国会選挙がありました。保守党の勝利。これは予想通り。今までの社会民主党緑の党、リベラル党との連立政権は喧嘩ばかりしていて分裂したので、選挙が前倒しになりました。選挙結果で東ドイツと西ドイツの分断が明らかに。統一後35年過ぎましたが、統一国になっていない。東部はベルリンを除いた全州で極右党が第一党になりました。35年過ぎたとはいえ、東ドイツの年配の人達は共産国権威主義/独裁国で育ったのです。そう簡単に民主主義に馴染まないでしょう。

 選挙、政党に関して不思議に思っていることがあります。ドイツでは人と話すとその人が政治的にどの方向を向いているか大体分かるし、どの政党に投票するかも見当が付きます。本当にいい人だと思って友達になったり友達になりたいと思った人が、実は私なら絶対に投票しない政党の支持者だと分かったという経験はありません。これが日本では分からない。長く付き合っている友人達でさえ、どの党に投票するのか分かりません。まああの党には入れないだろうぐらいのところですね。勿論年に一回か二回の里帰りで数時間会うだけですから、政治の話をすることもありますが限界があります。ドイツでは私は日本国籍投票権はないので外野席でヤイヤイ言っているだけですが。日本の選挙に投票できますが登録しなければならず、面倒でしていません。それに政党が沢山あってよく分からない。昔は分かりやすかったな。自民党社会党社会党右派が分裂した民主社会党共産党。後から公明党。今は政党が沢山あって、新しくできたり消えたり、分裂したり又くっついたり、名前を変えたり。インターネットで検索してみましたが、新しい党は全体的に右寄りという以外、違いがよく分かりません。それに住んでいないから現実味がありません。

 ドイツは1920年代のワイマール共和国時代の教訓から、議会に進出する政党数に制限があります。当時小さい政党がわんさかあり、政権成立が困難で結果的にナチの政権掌握になってしまったからです。ドイツで選挙に立候補するためには審査に通らなければなりません。ふざけていたりいい加減だったり、プログラムが多岐にわたっていなかったりすると通りません。いつか「やる気ゼロ党」が立候補しようとして勿論通りませんでした。通っても獲得票が5%以上でなければ議会進出はできません。

 日本の皆さんは親族、友達が選挙の時どの党に投票するのか知っていますか。人と話すと見当がつきますか。

 

                             けい